歯周病はとても身近な病気です

あなたは、「自分の歯が抜けてしまう」ことを、考えたことがありますか? 多くの方が、「歳を取れば、抜けるもの」と認識しているかもしれません。しかし、現代の日本人の歯は、平均すると45歳くらいから抜け始め、70歳の平均残存歯数は15本、80歳では9本となっています。そして、歯が抜けてしまう原因の第一位が「歯周病」となっています。

こんな症状があったら歯周病かも

まず、ご自分が歯周病であるかチェックしてみましょう。

  • 1.歯磨き時に歯ぐきから出血する
  • 2.疲れると歯ぐきが赤く腫れたり、炎症が起きたりする
  • 3.歯が伸びたように(長くなったように)見える
  • 4.最近、口臭が気になる
  • 5.歯がグラグラする
  • 6.朝起きた時、お口の中がネバネバする

上記に当てはまるものがある場合は、歯周病の可能性があります。下妻市にある歯医者「なかやま歯科」にお気軽にご相談ください。

歯周病は全身に影響がある病気です

歯周病は全身に影響がある病気です

歯周病は、歯を支えている骨を溶かし、最終的に歯が抜けてしまう怖い病気。しかも、日本の成人の実に8割が罹患している、もしくは予備軍とされている、よくある病気です。それだけではありません。歯周病菌が炎症を起こしている歯ぐきから血管に入り全身に運ばれることによって、心筋梗塞をはじめさまざまな病気の原因になることが報告されています。しかも自覚症状がなく、気づいたら進行していることも少なくないのです。そのため、定期的にメインテナンスを受けて予防することや、早期発見・早期治療ことが大切になります。

歯周病が影響するとされる全身の病気

歯周病は全身に影響がある病気です

脳梗塞

脳梗塞

心筋梗塞と同様に、歯周病菌が脳内の血管に入ることで血栓ができ、脳梗塞のリスクを高めるといわれています。歯周病でない人に比べて、2.8倍も脳梗塞になりやすいことがわかっており、歯周病予防がそのまま脳梗塞の予防にもつながるといえます。

心筋梗塞

心筋梗塞

心筋梗塞とは、動脈硬化などで血栓ができ、心臓に栄養を送る冠動脈が完全に詰まってしまう病気のこと。歯周病菌が入り込んだ血管の中でも血小板が血栓を作ってしまうため、歯周病の心筋梗塞への影響の可能性が指摘されています。

糖尿病

糖尿病

歯周病菌は血管に入ると、血糖をコントロールするインスリンの働きを妨げ、糖尿病悪化につながります。一方、糖尿病になると抵抗力が弱まり、歯周病菌を含め細菌に感染しやすくなります。このように、お互いのリスクを高めてしまうのが糖尿病と歯周病の関係です。

低体重児出産

低体重児出産

歯周病にかかっている妊婦さんの場合、健康な妊婦さんに比べて低体重児出産のリスクが高まると言われています。その理由として、女性ホルモンが歯周病菌を増やす可能性があることが挙げられています。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、高齢者に多く見られる、食べ物や異物を気管や肺に誤って取り込むことで発症する肺炎のこと。誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは歯周病菌と言われています。誤嚥性肺炎を予防するためにも、歯周病をコントロールすることが大切です。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは、血中脂質、血圧、血糖値のうち、2つ以上に異常が見られる状態のこと。糖尿病の項目でも述べたように、歯周病になると血糖値が上昇するため、メタボリックシンドロームとの関連性も指摘されています。

歯周病対策

歯周病対策

ご説明したように、歯周病はとても危険な病気です。次の正しい対策をして、しっかり予防をしましょう。

毎日のブラッシング

毎日のブラッシング

歯周病の予防で大切なのは、お口の中のプラークをコントロールすること。しっかり自分で予防する意識を持ちたいものです。予防の基本は、毎日のブラッシング。できれば、歯ブラシ+デンタルフロス、歯間ブラシなどで正しくケアする習慣をつけましょう。

プラーク・歯石の除去

毎日丁寧にブラッシングしていても、完璧にプラークをコントロールすることは、残念ながら難しいのが現実です。歯科医院で、スケーリングルートプレーニングなどの専門的なメインテナンスを受けることが大切です。

歯周病の検査

当院では、歯周病に対して以下の検査を行い、「ぺリオ(歯周病)カルテ」を作成しています。このカルテに患者さんの歯周病の進行状況を記録していき、治療に役立てています。

歯周ポケット検査
ポケットプローベという器具を使って、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の深さを調べます。また、出血の有無も確認します。ポケットが深いほど、重度の歯周病となります。

歯の動揺度検査
ピンセット状の器具で歯をつまみ、ぐらつきの程度を調べます。歯のぐらつきは、前後方向だけか、前後左右、前後左右上下まで動くかなどを確認し、動く方向が多かったりぐらつきが大きかったりするほど、重度の歯周病と考えられます。

レントゲン検査
歯を支えている顎の骨の状態や、奥深くに歯石の付着があるかを調べます。歯を支えている骨が少ないほど、重度の歯周病となります。

外科的な歯周病の治療

初期の段階であれば、毎日のブラッシング指導やスケーリングなどで改善できますが、進行している場合は、外科的治療が必要になります。

歯周ポケット掻爬(そうは)術

歯周ポケット掻爬(そうは)術

歯周ポケットが浅く、比較的軽度~中等度の歯周病に対して行う手術。歯ぐきに局所麻酔をして、歯周ポケット内のプラークや歯石、感染した組織などを取り除きます。

フラップ手術

フラップ手術

歯周ポケットが深くなり、中等度以上に進行した歯周病に対して行う手術。歯ぐきに局所麻酔をして歯ぐきを切開し、顎の骨からはがします。そして、歯根を露出させてから、プラークや歯石を取り除きます。